食の豆知識|海藻類
食材まめ知識(海藻類)
昆布
【採集時期】7~9月
【知識】昆布の古名はヒロメ(広布)と言われ、海藻の中では幅が広く、長く生長する所からこの名が付き、更に喜ぶにも語呂が合う所からお祝い事にも使われます。
昆布は世界中に生育し分布していますが、食用にしているのは東南アジアの一部と日本だけで、更に日本列島の沿岸には北から南まで昆布は生えていますが、美味しく食用にできるものは北海道沿岸と三陸の一部に限られます。
しかし美味しい昆布がとれない関西から沖縄がむしろ需要が高く、料理の発展にもつながりました。
【栄養】海のエキスを十分に吸収して育った海の野菜・昆布は、栄養豊富なアルカリ食品で、ビタミンA・B群やミネラルが豊富に含まれています。
特に、骨を作るカルシウム、貧血予防の鉄、塩分を排泄し血圧を下げるカリウム、新陳代謝を活発にし甲状腺の機能を正常に保つヨウ素が多く含まれます。
昆布には消化吸収されやすい単糖類や脂質などの栄養素は少なく、低エネルギーで良質の水溶性食物繊維であるアルギン酸やフコイダンが豊富です。
アルギン酸は血圧を下げるほか、腸内の余分なコレステロールを排泄する作用があり、フコイダンは胃や肝臓の機能や全身の免疫力を向上させたり、ガン細胞を消滅させる働きがあります。
わかめ
【旬】3~5月
【知識】全国のわかめの生産高は7万トン前後で、9割は養殖物です。
主な産地は岩手県、宮城県、徳島県の3県で全体の80%以上を占めています。
わかめは6~7月にかけて天然のわかめの胞子を種糸に種苗し、種苗器を海中に釣り下げて種を育て、10~11月に芽が出た種糸を養殖縄に巻き付け、本養殖をします。
3月頃には2m近くまで成長し、5月ごろまで収穫します。
日本人のわかめの消費量は、年間で1人当たりおよそ2Kg。海藻の中で最も多く食卓にのぼり、日本人の食生活の一端を担っている食材ですが、世界中で海藻を食用としている地域はほとんどなく、日常的に食べているのは日本と韓国ぐらいです。
【栄養】「産後の肥立ちにはわかめの味噌汁がいい」「若返りの薬」と言われるほど、わかめには豊富な栄養素が含まれています。
また低カロリーで多くの食物繊維やミネラル、ビタミンを含むので、ダイエット食にも適していると言えます。
わかめに含まれるアルギン酸は余分な塩分やコレステロールを体外に出す作用があるため、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病にも効果があるといわれています。
また、疲れやすいとかイライラする、手足がむくむといった症状には、実に13種類ものミネラルが含まれているわかめを食べると効果的といえます。
それに、わかめには体を活性酸素から守り免疫力を高めるビタミンCや、眼精疲労や肌荒れ・風邪の予防などに効果的なベータカロチンの他、ナイアシンやビタミンA、B12、Kなど実に多くのビタミンが含まれています。
ひじき
【旬】初夏
【知識】ひじきは全国各地の近海で採れ、生の時は黄褐色をしており渋みが多くてそのままでは食べられません。
鉄釜で数時間水煮すると渋みが取れ、これを日光で乾燥させたのが「干しひじき」です。
干しひじきのうち小枝だけを集めたものが「芽ひじき」、茎状の長いものを「長ひじき」と呼びます。
【栄養】ひじきには鉄、カルシウム、リン、カリウム、ヨウ素が多く含まれ、特に鉄は牛乳の50倍、カルシウムは牛乳の14倍も多く含まれます。
多量に含まれる鉄分は貧血に有効で、またカルシウムは骨を丈夫にし、中枢神経をやわらげイライラをしずめるなどの働きがあります。
その他にもひじきはごぼうの約5倍の食物繊維を含むため、便通を整え、コレステロールや腸内の有害物質を体外に排出して動脈硬化や大腸ガンを予防します。